NPO法人の特徴と設立条件
近年は一般市民がNPO法人を設立するケースが増えています。
NPO法人の最大の特徴は民間企業とは違い、営利を目的としないということです。
また、NPO法人は勝手に作れるわけではなく、設立条件をクリアしなければなりません。
NPO法人の設立条件
以下の条件をクリアしないとNPO法人にはなれません。
・活動内容がNPO促進法の20分野のいずれかに該当する。
・不特定多数の利益の増進に寄与するために活動する。
・営利を目的としない。
・宗教や政治活動を主な目的としない。
・特定の個人や団体の利益を目的としない。
・NPOの事業に支障が生じるほどの収益事業をしない。
・構成員の資格に不当な条件は付けない。
・構成員が10人以上いる。
・役員の内、報酬を受ける者の数が役員総数の3分の1以下である。
・役員として、理事3人以上、監事1人以上を置く。
・役員が破産者や受刑者、暴力団員などの欠格事由に該当しない。
・役員の中で、親族が3分の1を超えていない。
・理事または監事はそれぞれの定数の3分の2以上いる。
・会計は定められた規定に則って行われている。
NPO法人の構成
NPO法人の役員になれるのは個人だけであり、法人や団体は役員になることができません。
理事はNPO法人の代表機関として対外的に法人を代表します。
また、NPO法人内では定款や社員総会の決議に従って、法人の事務を執行する役目を担います。
なお、理事が社員(NPO法人の会員)や職員を兼ねても構いません。
ちなみに、理事はNPOの仕事に携わらなくても、役員としての報酬を受領することができます。
また、何らかの仕事を行っている場合は、労働の対価として給料を受給することもできます。
ところで、NPO法人の条件に、「報酬を受ける者の数が役員総数の3分の1以下」という規定があるため、役員が4人しかいない場合は1人しか役員報酬を受領できません。
従って、他の3人の役員がNPO法人から収入を得るには、職員として業務を行い、給料を得るしかありません。
収益事業
NPO法人だからといって、商品やサービスを売る収益事業ができないわけではありません。
社員や職員に給料やボーナス、又は役員報酬を出すために、適正な利益は必要です。
ただし、経費を引いて余った利益を会員などに配当として分配することはできません。
まとめ
NPO法人は特定非営利活動法人と訳される通り、営利を目的としない法人です。
保健や福祉、社会教育など、市民の自由な社会貢献活動を趣旨としています。
ただし、役員への報酬、社員や職員への給料のための営利事業は認められています。
しかしながら、営利事業が非営利事業全体の支出総額を上回ってはならず、また営利事業の利益は次年度の活動に繰越さなければなりません。
なお、役員の数や資格においても様々な条件が設けられています。
ちなみに、NPO法人は営利を目的としないため、法人税は原則非課税であり、自治体によっては住民税の均等割りが免除されています。